秀吉君は真剣にあたしを好きでいてくれてる…。



それは感じるんだ…。



「乃彩、映画見ない?」

「あ、うん…。」



一緒にソファに座っても手すら握って来なくなった。



抱きしめられる事もなくなったしキスもしてない。



精一杯あたしの事を考えてくれてるんだ…。



だからこそ別れられなくなる…。



でも別れなきゃいけないのに…。



別れなきゃ…。



「秀吉君、あたしナツ君が好き…。」

「うん。」

「別れてもナツ君のとこには戻らない…。」

「じゃあ別れなくてイイ。」

「別れなきゃダメなの!!あたし秀吉君を好きになれないよぉ…。」



何回泣いたかわからない。



その度に優しい手があたしの頭を撫でて涙を拭う。



「わかった。って言えたらイイのに…。俺も負けたくないから…。」

「あたし…。もうやだ…。」



消えてしまえれば楽なのに…。