お姫様とお嬢様

それからはただ乃彩のそばにいたい。



それだけを思ってた。



鳴らない新しい携帯は肌身離さずポケットの中。



「うっそ…。」

「マジマジ。秀吉が入場する時っていつも俺らの曲じゃん?だからアイツの為に曲書いてやったんだ。今日の打ち合わせに来るって。」

「俺お先します!!」

「バカか。他にも収録残ってんだろ。」

「マジムリっス~…。」

「生意気言ってっとクビにしてやるぞ。」



秀吉と再会…。



打ち合わせに俺必要ナイじゃん!!



なのにその打ち合わせ中に次の収録用に髪をセットしろとの事…。



地獄だ…。



絶対AQUAはその状況を楽しんでんだ…。



「失礼しま~す。」

「「初めましてAQUAです!!」」

「あっ!!秀吉です!!この度はマジでありがとうございます!!」

「「いえいえ。」」



いつもは絶対自分達から挨拶なんかしないAQUAが笑顔で挨拶してる…。



この人達すげぇ怖い…。



アイドルばりの笑顔…。