お姫様とお嬢様

何故かその日は離れたくない衝動にかられた。



一人になりたくない…。



「寧音チャン、今日帰らなくてもイイ?」

「何言ってんの…。」

「だよね…。」

「ヒナに黙っとく。それでイイの?」

「うん…。ごめんなさい…。」



初めて秀吉君の家に泊まる事にした。



シャワーを借りてナツ君のより大きい服を着た…。



「デカ過ぎたね。でも乃彩が着れそうなのそれしかないや。」

「ありがと…。」

「俺ソファで寝るから乃彩ベッド使ってイイよ。」

「何で!?」

「だって隣に寝たら確実に襲うもん。」

「イイよ…。」



忘れたいんだよ…。



ナツ君を…。



「俺を利用して忘れられるならいくらでも使ってイイから。」

「あたし最低だよね…。わかってるんだよ自分でも…。」

「俺が好きでしてる事だから乃彩はそんな風に思わなくてイイ。」



秀吉君の優しい腕と切なくて苦しい顔…。