それからしばらく無言で髪を流した。



「ちょっと自信ないんだけど緩いかも~…。」

「…………。」

「乃彩チャン?」



まさか寝ちゃった?



顔にかかってる布をチラッと退かしてみた。



寝てる…。



無防備過ぎだから…。



二人きりの店ん中でそんなカワイイ顔して寝ないでよ…。



『水木さんの手気持ちいいです』



だから寝てくれたのかな。



そう思ったら勝手に顔がニヤケた。



「乃彩チャン?流し終わったよ?」

「水…木さん…夢?」

「夢じゃないかも~。起こしたくなかったんだけど…。ごめんね?」

「えっ!?あたし寝ました!?」

「うん。仕事で疲れてるのかな?」

「恥ずかしくて生きて行けな~い!!」



そのリアクションツボにハマりそう。



何から何までカワイイから!!



「乾かすね!!」

「はい…。」



落ちちゃったよ…。