お姫様とお嬢様

もう今更だよ。



愛芽は大河を好きになれない。



「大河、他の子探して。」

「ムリ。愛芽がいい。」

「愛芽はもうムリだっ…。」



一瞬何が起こったかわからなかった…。



愛芽の頭にある大河の腕…。



ゆっくり離れた唇…。



「彼氏いんだろ?これで愛芽も浮気。俺本気だから。」



屋上を出てった大河を目で追うしかできなかった。



キス…。



『これで愛芽も浮気』



愛芽…。



浮気したの?



柄にもなくこんな事で涙が出た…。



教室には戻れなくてその場に座って泣いた。



ポケットで鳴る携帯は舜太からのメール…。



『どこいんの?最後くらい見送れよブタ。』



いつも通りの舜太からのメールに余計涙が溢れた。



ごめん舜太…。



舜太の事裏切った…。



ごめん…。



ごめん…。