好きになってよ。【未】



この話1番私の中で忘れられない辛い記憶。

思い出したくもない記憶。

声を震わせて話しして、ポロポロと涙を流して話し終えた私。

そんな時、隆ちゃんは苦い顔をしてた。

今更そんな顔されたって、遅いよ。

「…なんで、隆豊に振るの?隆豊?何か知ってるの?」

「…別に、俺は。」

「お前は、そうやって逃げんだよな。昔も今も何も変わってねぇ。高野は何がしてぇんだよ。」

「…やめて、孝。高野くんは、何もしてない。」

「…ほ、ほら!理笑もそう言ってるし!」

そう、隆ちゃんは何もしてない。

ただ、黙ってみてただけ。


あの現場に、たまたま通りかかって私を見つけた隆ちゃんは、何も言わず

ただ、そこに立っていた。

何をするわけでもなく、そこに立っていたんだ。

彼なりに動揺してたんだろうけど、それ以前に私に拒否反応起こしてたよね。

あの時の君は。


「たまたま通った先生が助けてくれて、その時は何もされず助かった。

でも、宗たちは、すぐに転校していった。

先生たちの配慮ってことらしい。」



隆ちゃんは、ただ終始黙ってそこにいて、




『お前、そこにいたのなら助けるなり声出すなりしろよ。』


そう、先生に言われていたのを今でも覚えてる。