しかし、どうでもいいという意味で答えたわけではなかったらしい。
蓮様は一つ大きなため息をつくと、「あのね」と少々面倒そうに切り出す。
「僕としては、二人が一緒になってくれないと困るわけ。仮に僕と結婚した後、椿に浮気されたらたまったもんじゃないでしょ」
「ちょっと、失礼じゃない?」
「不満がたまった桜ならやりかねない」
もう、と頬を膨らませた桜様だったけれど、すぐに眉尻を下げて柔和な笑顔になった。彼なりの優しさを読み取ったのだろう。
その表情が伝染していって、三人はやんちゃな子供のように言葉を交わした。
「蓮、めちゃくちゃ怒られるだろうね」
「言っとくけど、椿もめちゃくちゃ怒られると思うよ」
「ふふ。前に蓮の家で遊んでて、花瓶割っちゃった時もすっごい怒られたよね」
楽しそうに肩を揺らす椿様、どことなく嬉しそうな蓮様。そして、幸せそうに昔を思い起こす桜様。
目の前で感動的なミュージカルを鑑賞し終わったかのような気分に浸っていると、突如後ろから肩を掴まれる。危うく声を上げそうになり、口元を押さえた。
「はー……やっと見つけた。何でこんなところにいるの?」
「藤さん……!」



