魔法をかけて、僕のシークレット・リリー




「草下さん、もう体調大丈夫なんですか?」


日曜日の午後。昼食が終わって片付けをしながら、作業中の彼に問いかける。
草下さんは私の声に振り返って、「ああ」と苦笑した。


「悪かったな、迷惑かけて。あの日パーティーだったんだろ」


熱を出した前日、葵様と一緒に水遊びをしていたんだとか。草下さんは相当びしょ濡れになってしまったらしい。葵様が風邪を引くといけないから、とあれこれ世話を焼いていたはいいものの、自分が倒れてしまったというわけだ。


「いえ、気にしないで下さい。……ふふ、風邪を引いた理由が草下さんらしいって、みんなでちょっと笑っちゃいました。不謹慎ですけど」

「みんなっていうより、主に森田さんが笑ってる図が浮かぶな」

「気持ちいいくらい爆笑してましたよ」


はは、と爽やかに笑い飛ばした草下さんは、やっぱり心が広い。私だったら絶対に嫌味の一つや二つは言ってしまうだろう。

その後は比較的穏やかな時間が訪れた。
草下さんは葵様のところへ行き、私は木堀さんのお掃除等を手伝う。休日の昼は大体そんな過ごし方だ。


「……あ、私ちょっと蓮様のところへ行ってきますね」