魔法をかけて、僕のシークレット・リリー



……ちょっと本格的に脳の処理が追いついていないようだ。
うんともすんとも言えない私に、彼は臆せず続ける。


「実は今、メンズ用コスメを作ってるところなんだよね。広告のモデルを探してるんだけど、なかなかいい人がいなくてさ」

「メンズ用コスメ、ですか?」


彼の放った単語に思わず食いついてしまった。私の反応が悪くないと判断したのか、彼が饒舌になる。


「そう。興味ある? やっぱ競争の激しい女性化粧品市場に参入していってもすぐに廃れると思って。目の付け所としては悪くないでしょ? それで、」

「スキンケアとかベースだけじゃなくて、ポイントメイク用のコスメも展開していくんですか?」

「そうだね。今のところはそれも考えてる。で、モデルとなると顔が良い方がいいでしょ。男のメイクに抵抗がなくて、なおかつそいつ自体もセンスがあって似合って……っていう人を探してたんだけど、なかなかいないんだよ。ほら、僕を超える美形なんてそう簡単に見つから」

「すっごく素敵ですね! 私、男性女性関係なく……というか、万人が自由にメイクできる世の中になればいいのにって思うんです!」

「あのさあ、僕の話を遮らないでくれる?」

「あっ、すみません! つい!」