魔法をかけて、僕のシークレット・リリー



ファンデーションのスウォッチをしていた私の左腕を見て、三園さんが目を見開いた。
見慣れない人からすれば確かに、いきなり何をし出したのかと思うかもしれない。


「実際に肌に塗ることで色味を確かめるの。こうして並べて塗ってみると、一色ずつの違いが分かりやすいでしょう」


一番明るい色だと不自然に浮いてしまう可能性があったので、今回は二番目の色を使うことにした。
手の甲で少し伸ばしてから、彼女の肌にファンデーションを滑らせていく。

均等に塗り終えたらコンシーラーで気になる部分を隠すのだけれど、やはりお嬢様となると、ぷるぷるつやつやの綺麗なお肌だ。隠す必要性のある個所はない。
涙袋にコンシーラーを優しくたたきながら馴染ませる。ぷっくり涙袋の完成だ。

パウダーをブラシにとって顔全体に。眉毛は少し細めにきっちりと描いて、上品な印象を狙う。


「三園さん、少し目を瞑ってもらってもいい?」

「は、はい……」


彼女の瞼が下りた。

アイホール全体に淡いラベンダーのアイシャドウを広げ、二重幅にローズピンクを加える。アイラインは控えめに細く入れて、まつ毛も盛りすぎない程度にセパレートで。青いラメを上瞼の中心に軽くのせれば、透明感が一気に増した。


「もう目開けていいよ」