魔法をかけて、僕のシークレット・リリー



構わない、といったように首を緩く振った彼女が、「試してみますか?」と問うてくる。

こんなに大量なコスメ、それも高級ブランドの試作品。またとない機会だ。できることなら、一人で何時間でも観察していたい。


「……三園さんがよければなんだけど、私にメイクさせてもらえないかな」

「花城様が私に、ですか?」


こくりと、一度だけ深く頷く。
不思議そうに私の顔を見つめていた三園さんだったけれど、すぐに表情を明るくして受け入れてくれた。


「是非お願い致しますわ! では、その後に花城様にもお化粧を……」

「あ、いや、私は大丈夫だよ」


即座に断った私に、「そうですか」と少し残念そうに眉尻を下げた彼女を促し、鏡の前へ。作業しやすいように彼女の髪を束ねながら、使用するコスメの目途をつける。

三園さんの瞳は僅かに赤みがかっているから、黄色っぽいアイシャドウは避けるのが無難だろう。ローズ系、それかパープル辺りがいいかもしれない。
決めた。ラベンダーメイクにしよう!

一人納得し、まずは下地に取り掛かる。
ベースだけで何色も展開されているけれど、紫が綺麗に映えるのは白肌。三園さんの肌色に合って、なおかつ透明感の出る色味を探す。


「は、花城様……それは、何をされているのですか?」