「是非ともうちにご招待させていただきたいんです! もちろん八色様も!」

「はあ」


嬉々として話す三園さんに、楓と二人で顔を見合わせる。

先々週、教室内で大々的に関係の修復を図ってきた三園さんは、それ以来、よく私たちの元へやって来るようになった。
楓いわく「百合、惚れられちゃったね」とのことだったけれど、残念ながら私にそっちの趣味はない。


「花城様と……あ、いえ、お二人ともっとお近づきになれたらと思いまして!」

「えーと、ごめん。様つけるのやめよう? なんかやっぱりむず痒いっていうか」

「いいえ! そんなわけにはいきません。花城様は今やファンクラブができるほど人気なお方ですから」

「待って待って待って初耳。どこ情報?」


そんな高貴な人間になった覚えはないのだけれど。
身に覚えのない周囲の盛り上がりに戸惑っていると、楓が補足する。


「男子禁制のファンクラブなんだって~。百合がイケメンだから、女子校出身の子とかは結構コロッといっちゃったみたいね」

「カフェテリアで何を言われても堂々としておられたり、いつも八色様をエスコートされていたり……」