「んー、人体はいいねぇ…」


切断したばかりの左足を持ち上げてなでる

一人の青年がいた。

「この質感、赤い血、肌触り、どれをとっても
最高だよ!!」

おもむろに誰のものかも分からない

左足を置いて立ち上がる。

「じゃあそろそろ若い少女のやわらかくって

しろーい体をもらいに行きますか。」

そう言って出かけようと外に出る。

青年が外に出ようとするその瞬間だけ

奇妙に風が凪いだ。

…まるで、そこにやってくる者を

歓迎するかのように。