処刑人には二つの選択肢がある。

一つ目は、任務を遂行して、完全な化け物
となること。

二つ目は…


任務に失敗して、廃棄処分となること。

一つ目の選択をした俺たち処刑人は、
化け物となる。

常人ならば、いくら世界のためとはいえ
人を殺すということは理解できない
だろうが、俺たちにそんなことは関係ない。

殺すことに慣れてしまって世界を良い
ものに変えているという実感が
まるで無くなっている。

殺すことをいとわない心は処刑人として
必要なものだが、人間的にこれでよいもの
だろうか。

……もっとも、本当に人間ならの話だが。


だが、この組織に所属している限りは
仕方ない。常人からしたら俺たちは
狂っているからもしれないが、それは違う。

たしかに俺たちは、人を殺しているが、
楽しくて殺しているわけではない。

ならばなぜ殺し続けるのか…
簡単なことだ。



……任務だからだ。