いつもより早めに塾に向かった。
一か月もクダラナイ理由でバイトを休んでた私を、室長も生徒たちもあたたかく迎えてくれた。カタチだけで、たいしたことないお土産にも喜んでくれて、ホッとした。やっと帰って来たなって気持ちになれた。「篠塚先生〜イギリスはどうだったの?」「イイ男いた?」「先生、お土産のチョコうめーよ。」たあいのない話とみんなの笑顔が今の私の生きがいだった。
ここで勤務し始めて丸一年だ。自分で言うのもなんだけど、割と人気があって、とても楽しく仕事をしている。何より今となっては遠い存在の中高生と話す機会は私にとっても新鮮だった。特に、共学に通ってたにも関わらず、男子と話すのが苦手だった私には、中高生の男子と話せることは単純に嬉しかった。