永島さんが配属されてから1ヵ月が過ぎ・・・

「何度、教えたら分かるんだ?!」
店長の怒鳴り声が後ろから聞こえる。

窓口の奥の席、店長席で永島さんが叱られている。
伝票の綴り方が悪いからだ。小切手の位置もバラバラ、穴あけもノリ付けも不十分。
伝票として見にくく汚い綴り方。

「二宮さんの綴ったの見てみれて?ん?綴り方が違うろがや?順番も位置も」

永島さんは教えられた通りに出来ない人だ。
「僕はこっちの方がやりやすいんです」と私にも言ってきた。
『あなたの、やりやすさとかどうでもいいの。規定通りにするの!しなきゃなの!分かる?』
「納得できません」
『あっそ。もういい。勝手にやって』
そう言った後に綴った伝票に店長から検印を貰いに言った時の後ろから聞こえてきた怒鳴り声。

心の中で、いいきみと思いながらも店長席へ行って
『私の指導の仕方が悪かったんです。申し訳ありません』と伝え
やりなおしをさせてもらう。

席に戻って来てもなお、誤らない彼にイライラしながらも、どうして規定通りにしなければいけないのか、どうすると綺麗に綴れるのか、見せながら話しながら教えていく。