◆◆◆◆                      今.俺は怒りと不安の中に居た。


「大丈夫…。」と言っていた楓の
嘘を気付いてやれなかった。


楓は俺に心配を掛けまいと一人で
頑張っていたのに…。


怖かっただろうに…。


そんな気持ちも分からずにただ
楓の言った言葉に安心していた。


あの女のした事を俺は絶対に許さない。


朝から休みの届けを出していた
あの女の事を俺は一度も気にする
事なく仕事をこなしていた…。


昼休み…打ち合わせも兼ねて
ホテルのレストランで食事を
していた俺の携帯に同僚の近藤
から電話が入った…。


「緒方!!またあのやらかしたぞ!!
三浦の部下の女の子の所に乗り込
んだらしい。もしかしてお前の前
に付き合ってた女の子じゃないか
と思ってさ。篠崎は今.警備に連れ
られて部長室に入って行ったよ。」


「間違いないのか!!楓は大丈夫なのか!?」


「詳しくはまだわかんねぇけど。
篠崎が帰って来た時にお前の為に
あの女に注意しただけだって喚い
てたから。手も挙げたみたいだぞ
次の被害者はお前かよ。本当あの
女.頭おかしいぞ…。」