「そんなこと言ってると、お前の萌琉お宝動画消すぞ!」

ん?お宝動画?

隠し動画の次はお宝動画?

『何それ?』

「…何でもない。」

綺羅は寝たフリ。

待て待て待て。

『綺羅ちゃん?』

1オクターブ低い声で言ってみると。

「萌琉が酒に酔っぱらってる可愛い動画だぞ。あと、高校のときの授業風景とか、家でご飯作りしてるエプロン姿とか。」

隠し撮りだよね?!

いつのまにっ!

『見せて。』

「イヤだ。消すだろ。」

『唯、見せなさい。』

断れない弱い唯に切り替える。

「いーやーだーー!」

『うるさい。早く!』

渋々自分のケータイを差し出す唯。

ちょっと泣きそうなところが、我が兄ながら気持ち悪い。