あれから校門までダッシュして。

何も言わずにいてくれる織ちゃんと家に行き、着替えてから用意してた荷物をもって家を出て。

まず、ケータイ解約。

GPSがあるからね。

ひっきりなしに唯や綺羅からかかってたから、電源は途中落としたけど。

織ちゃんの家にいることもバレないわけがないから、織ちゃんママに取り次がないようにお願いして。

それに織ちゃん家はオートロックの高層マンションだから、解除しないと入ってこれないからひとまず安心。

「なんか、私のケータイに知らない番号から着信入りまくりなんだけど。」

画面を見ると、うん、唯だね。

『あのくそ兄貴、私のケータイの電話帳移してたな!』

織ちゃんからケータイをもらい、タップする。

『私のケータイ見たでしょ?!最低!今日明日は帰らないから!電話してくるな!』

“萌琉っ!待って。話し聞いてっ。”

唯の大声で焦ってるのが想像できる。

『イヤ!もう、解放してよ。私だってキツイんだから!ずっとずっとこの3ヶ月我慢したんだからっ!もう充分でしょ?!何回も狙われて拉致られたし、嫉妬で女の子に暴言、暴力当たり前だったしっ。でも、そんなこと私にとったらどうでも良かったのよ。綺羅さえいれば、私は何も怖くなかった。最初から好きじゃなかった…そう言ってひどく傷つけたのは綺羅だけよ!』

何も言わずにケータイを切って、そのまま握りしめる。

頭をポンポン叩いてくれる織ちゃん。

涙がケータイの画面を濡らす。

「それ、防水だから安心して。」

思わず笑って。

散々泣いた。