泣きたい夜には…

言った!

言ってしまった!!!

人生最大の決断!

俺は人生最大の大博打に打って出た…

そんな気持ちだった。

『そうか!決心してくれたんだ!ありがとう、成瀬くん!』

院長は喜びと酔いで俺の手を両手で握りしめていた。

それから、俺は院長に祝杯とばかりに、ガンガン飲まされた。


ほど良く酔いが回り出した頃、院長は意味ありげに笑うと、


『娘と会ってくれないか…慎吾くん。』

し、慎吾くん…て…?

それに、娘…?

むっ、娘ぇぇぇ!!!?

驚きのあまり、いっぺんに酔いがさめた。

俺はこの一言で全てを理解することが出来た。

オイシイ話はそう簡単には転がっていない…

絶対何か裏がある…

脳裏にひとみの笑顔が見えた。