泣きたい夜には…

ひとみは昼間の疲れもあったのか、泣きながら眠ってしまった。


「本当にガキなんだから…」

ひとみを抱き上げ、ベッドに横たえると、

「おやすみ…」

眠っているひとみの頬に触れ、唇にそっとキスをした。


今日は部屋に戻ろう…

そう思ったその時、

『慎吾…愛してるよ…』

ひとみの寝言が聞こえた。
満面の笑みを浮かべた寝顔を見ていると、

「全く、どんな夢見てるんだか。そんな顔見たら帰れねぇよ…」


俺はベッドに入ると、ひとみを抱きしめて眠りについた。


ひとみがアメリカに旅立つその時まで、出来る限り一緒にいたい…そう思った。

それからしばらくして、ひとみのアメリカ留学が正式に決まった。


俺とひとみは仕事以外はいつも一緒だった。