泣きたい夜には…

俺は溢れる涙を拭うのも忘れ、今の気持ちをひとみにぶつけた。


ひとみも堪えきれなくなったのか涙が頬を伝っていた。


ひとみは俺の涙を指でそっと拭うと、

『慎吾…私のこと…待っていてくれるの?』

俺は頷くと、

「あぁ、待ってる…」

そう言うと、ひとみの涙腺は決壊し、

『慎吾ぉぉぉ!!!』

ひとみは俺の胸に飛び込んで来た。

「お前、本当は行きたいんだろ?アメリカに…」

泣きじゃくりながら頷くひとみに、

「頑張って来い!俺も頑張るから…」

俺の言葉に何度も頷くひとみを腕の中に閉じこめた。

俺の腕の中で号泣するひとみ…

始めの頃は、ややこしくて面倒な奴だと思っていたけど、


今はそんなところも愛しく思える。