『初めてだね…言ってくれたの…』

ひとみの目がうるうるし始めた。

「な、泣くな！何も泣かなくたって…」

いつもながら、ひとみに泣かれると本当にどうしたらいいのかわからなくなる。

『嬉し涙なんだから………いいでしょ！』

泣きながら強気になってもどうも格好がつかないひとみに思わず笑みが零れてしまう。

『もう、笑わなくてもいいじゃないの！』

そう言いながら、ひとみの涙は止まることを知らなかった。

俺はひとみの涙を指でそっと拭うと、

「また一緒に行こうな。」
ひとみの唇にそっと口づけた。

『うん…』

なかなか泣き止まないひとみを抱きしめると、

「泣き止まないなら、襲うぞ！」

冗談で言ったつもりが、ピタッと泣き止むと、

『いいよ、襲っても…』

ひとみは妖しげな笑みを浮かべ、俺の頬を指先でスーッと撫でると、

『慎吾、私も愛してる…』
俺の唇に自分の唇を押し当てた。

俺とひとみの夜はまだまだこれから……