『慎吾…抱いて…』
ひとみが呟くように言った。
「鼻血…また出たりして。」
俺の言葉に、ひとみは呆れた顔をして、
『もぉぉぉ!
雰囲気ぶち壊し!
でも大丈夫、私が止血してあげるから…』
ひとみは俺の頬にそっと触れると、指先で顔の輪郭をなぞっていった。
その感覚に言いようのない、胸の高鳴りを感じた。
俺は、ひとみの前髪を指でかき上げ、額に唇をそっと押し当てた。
俺の唇は額から頬に移り、ひとみの唇を避けるようにキスを繰り返した。
ひとみの唇が俺の唇を求めているかのように、体を捩り始めた。
「ここに欲しいの?」
指でひとみの唇に触れた。
ひとみは頷くと、潤んだ瞳で俺を見つめた。
「ダメ、その目…反則!」
ひとみの目に完敗した俺は、頬に触れると、
甘くて深いキスを落としていった。
今夜はひとみの心の傷を癒すようにゆったりと優しく愛した。
ひとみもそんな俺を優しく受け入れてくれた。
穏やかな笑みを浮かべるひとみを抱きしめ、
「愛してる…」
そっと耳元で囁いた。