泣きたい夜には…

花火大会が終わって、

部屋に戻り、しばらくふたりでまったりとしていた。

「風呂…入るか?」

ひとみは真っ赤になって、

『し、慎吾、先に入って来て…私、後で入るから…』

何でそんなに恥ずかしがるんだ?

いつもはもっとすごいことしてるじゃねぇか…

「わかった…先に入るぞ!」

無理矢理一緒に入らせるのも可哀想だし、今日は色々あったけど楽しかったから、けっこう俺は満足していた。

露天風呂に続くガラスドアを開け、石造りの露天風呂に入った。

空を見上げると、まるで
宝石箱をひっくり返したように星が瞬いていた。

星ってこんなにきれいだったっけ…?

俺は夜空に吸い込まれるように星を眺めていた。

チャポーン…

『もう、いつまで入ってるのよ!待ちくたびれちゃったじゃないの。』

えぇっ!?

俺は星に夢中で、ひとみが入って来たことに気が付かなかった…。