ひとみを横たえると、貪るように唇を重ね合わせた。

部屋の中にはひとみの甘い吐息だけが聞こえていた。

Tシャツを捲くり上げ、胸元に手を伸ばそうとしたその時、

♪〜〜♪

携帯が鳴った。

さっきまで、理性をどこかに飛ばしていたひとみの表情が変わり、反射的に突き飛ばされた。

「痛ぇ…」

『はい、浅倉です。はい…わかりました…10分で行きます。』

電話を切ると。

『慎吾、ごめん!
赤ちゃんが仮死状態で生まれてきたらしくて…今蘇生しているんだけど、人手が足りないみたいだから行って来る…2時間…ううん、1時間半で戻るから…待ってて…』

支度をしながら早口で言うと、軽く抱擁して出て行った。

はぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

いいところだったのにぃぃぃぃ!!!

こんなことは今回に始まったことではないけれど、

仕事だから仕方がないとわかってはいるけれど、

はぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

虚しい…