「今夜はどうする?」

ひとみの耳元で囁くと、

『このままうちでも…いい?』

陶酔しきった表情でひとみは言った。

最近では同じマンションということもあってか、ひとみの当直の晩以外はどちらかの部屋で一緒に過ごすことが多くなった。

いわゆる半同棲状態ということになるわけで…。

「もう他に用事はない?」

そう言いながら、もう俺の唇はひとみの首筋を捕らえていた。

『んんっ…あぁっ…もうない…』

言い終わらないうちに、ひとみを抱き上げ、ベッドへと運んだ。

俺はベッドに腰掛けるとひとみの頬に触れた。

ひとみは上気していて、目を潤ませて俺を見つめた。

その目…やばい…やばいって…

出会った頃、

駐車場で会って、挨拶を交わす程度だった頃に比べて、ひとみはきれいになったような気がする。

そういえば、こんなことを言っていた。

向井と付き合ってた頃は、自分を大人に見せようと無理ばかりしていたけれど、
俺と出会って、背伸びしなくてもいいし、無理をする必要がないから楽なんだ…と。