部屋に戻って、眠りを貪る深夜

双子の出産を見たひとみがかなり興奮気味な様子で、部屋を訪れた。

『もうね、本当にすごかったんだから…』

ひとみの熱のこもった話を半分寝ながら聞いた。

いくら大学病院は教育機関とはいえ、沢山の医者に見られながら出産をしなければならない妊婦さんに思わず同情してしまった。

『赤ちゃん、可愛かったぁ〜!私も欲しくなっちゃった〜!』

えっ!?

「本当に?」

目が覚めたよ…

『うんっ!』

無邪気に頷くひとみの腰に手を回すと、

「そんなに欲しけりゃ協力するぜ!」

わざと意地悪く言うと、

驚いたひとみの顔は真っ赤になった。

「嘘だよ…
明日も仕事だろ?寝るぞ!」

強引にひとみをベッドに押し込むと、

「おやすみ…」

ひとみの額にそっと唇を押し当て、抱き寄せた。

『おやすみ、慎吾…』

ひとみはそう言うと、深い眠りに落ちていった。