泣きたい夜には…

ピピピピッ♪

体温計を彼女に渡すと、

『38.9℃か…座薬入れようか?その方が楽になるし…』

ざ、座薬ぅ!?

座薬って、あれだろ?

そんな趣味ないし…。

「い、いいよ…え、遠慮しとく…」

彼女は笑って、

『何か勘違いしてない?別に自分で入れたっていいのよ。もう大人なんだし…でも、飲み薬の方がいいかしら?』

なんだ、あるなら先に言えよ!

「飲み薬、もらえる?」

彼女はキッチンに入って行くと、

『薬を飲む前に少しでも何か食べないとね。』

そう言って、お粥と消化の良さそうな料理をお盆に乗せて運んで来た。

キュルルル…

俺のお腹は何と正直なことだろう…

そういえば、今日は忙しくて昼食をとる暇もなかった。

熱のせいで食欲もなかったし…

彼女はクスクス笑いながら、茶碗を手渡すと、

『おかわりしてくださいね。』

は、恥ずかしい…

でも、背に腹はかえられぬ…

「いただきます…」