ピンポーン♪

ひとみが出てくる様子はなかった。

その後、何度鳴らしても出ては来なかった。

こりゃ相当怒っているな…
でも、何でそんなに怒るんだ?

別に付き合っているわけでもないんだし…

こんな時に何を言っても、恐らくひとみは聞いてくれないだろう…

時間と距離を置くことも大切だと思い、俺は部屋に戻ることにした。

部屋に戻って暫くすると、
ピンポーン♪

インターホンが鳴った。

モニターを見ると、ひとみの姿が映し出されていた。
玄関のドアを開けると、ひとみは俺を見ることなく、俯いていた。

「どうした?」

ひとみの顔を覗き込むと、
『夕飯食べたの?』

ひとみは素っ気なく俺に聞いた。

「まだだけど?」

ひとみのことが気になって急いで帰ってきたのだから
『だったら…うちで食べない?』