泣きたい夜には…

「おい!お前、チョコばっかり…そんなに食べたら太るぞ!」

俺がこんなこと言ったって、

『いいの!好きなんだから!』

こんな時のひとみを見ていると、コイツは本当に医者なのかって思ってしまう。

こう言っては何だが、小児科医のひとみは、凛としていて別人のよう。

上杉教授に言わせると、将来有望な、小児科医らしいが…。

最近の俺はひとみのそんなギャップに翻弄されていた。

そんなある日のこと、

いつものように大学病院回りを終え、時計を見ると、6時を回っていた。

そろそろひとみが上がる時間だな…

一度会社に戻って、電話入れてみるか…

『あれ?成瀬さん?』

声のする方を見ると、

「たっ、高山さん…」