まだ飲むのかよ…

浅倉さんは缶を空けて飲もうとしたけど、

俺はそれを取り上げた。

「もうやめましょう。体壊しますよ。」

でも彼女は

『返して!これが飲まずにいられますかっての!』

いくら医者とはいえ、まだ26のガキじゃねぇか…

さすがの俺も我慢の限界だ…

取り上げた缶ビールを一気に飲み干すと…

バンッ!

テーブルに空き缶を叩きつけるように置くと、

「いい加減にしろ!
もっと自分を大事にしろっての!お前、医者だろうが!」

さっきまでの敬語はどこへやら、俺は思いっ切りブチ切れた。

『あなたに…私の気持ちなんて…わかるはずないでしょ?』

彼女は俺に怒りと悲しみの入り交じった表情を向けた。

「わかるよ。向井先生が坂田教授の娘と結婚するからだろ?」