それから1年が経ち、

俺とひとみは永遠の愛を誓った。

家族や友人達が見守る中、
教会で聖書の言葉を聞き、賛美歌を歌い、

指輪の交換をした。

『慎吾…違う…左手だってば!』

ひとみが慌てて小さな声で言った。

いかん、間違えた!

緊張のあまり、ひとみの右手を俺は取っていた…。

何とか指輪の交換も終わって、

『誓いのキスを…』

神父の言葉に、俺はひとみのベールを上げた。

毎日顔を合わせているというのに、純白のウエディングドレスを纏ったひとみの美しさに目が離せなかった。

綺麗だ、ひとみ…

そう心の中で呟きながら、穏やかに微笑むひとみと最高に幸せなキスを交わした。

『グスッ、慎吾ぉ〜!』

泣き虫ひとみの目から大粒の涙が零れ落ちた。

本来だったら、美しい花嫁の涙…になるはずなのだけれど…

「おいっ、あんまり泣くと化粧が落ちるぞ…」

ハンカチで涙を拭いても拭いても追いつかない。

ひとみは泣き笑いをしながら、

『幸せすぎても涙って出るんだね。』

どうやらひとみの泣き虫は治りそうにない…。