泣きたい夜には…

あぁぁぁ!!!

「やばい…やばいって、その顔!」

俺はひとみの背中と膝の裏側に腕を回すと、

『ちょ…ちょっと、慎吾!』

戸惑うひとみを抱き上げるとベッドルームへ直行した。

静かにベッドに下ろすと、

『もぉぉぉ、慎吾!』

ひとみは俺を優しく睨む。
その顔も反則だよ…

「よろしくな、ひとみ…」
呆れるひとみの頬に触れ、唇にキスを落とそうと…



♪〜〜♪

ひとみの携帯が鳴った。


あぁぁ!!!

いいところだったのにぃぃ!!!

『はい、浅倉です。…えぇっ!?りんちゃんが?…わかりました…すぐ出ます。』

電話を切ったひとみは厳しい表情で、

『慎吾、受け持ちの患者が急変したの…行って来る!』


そう言うと、部屋を飛び出して行った。