『もう、何ニヤニヤしているのよ〜!』

ひとみが優しく俺を睨む。
「だってお前、全然変わってないから安心したんだよ。」

俺の言葉にひとみは笑って、

『慎吾だって、変わってない…だから安心した。』

料理の注文はひとみに一任し、ひとみはビールで、俺は車だから烏龍茶で乾杯をした。

『何だか私ひとりで飲んで申し訳ないわね。』

そう言いながら、相変わらずひとみの飲むペースは早かった。


「まぁ車だし、気の済むまで飲んでくださいよ。」

本当にそれで良かったのに、ひとみは俺に遠慮したのか、日本酒も飲んだけれど、いつもよりセーブしていた。

料理を味わいながら、

俺は東京本社でのこと。

ひとみはアメリカ研修のこと。

時間を忘れて語り合った。