すっかりおなじみとなった、白い部屋。

そこで私たちは、
さっき言われたことを話し合っていた。


「つまり簡単にまとめると、
百合が死んだら僕たちは館から出られない。
そしてそれは、彼らがいう【主】の命令」


「そういうことだよね?」と、
桜が周りに座るみんなを見渡した。


「何がまとめると、だ!
言ってることそのまんまじゃねぇかよ!」

不機嫌な鈴蘭が、
ソファーの端に頬杖をつきながら言う。

睡蓮は相変わらず分厚い本を読んでいるが、
やっぱり私の傍に座っていた。

桔梗はまた襲われたことがショックだったのか、さっきから一言も喋っていない。


「桔梗、大丈夫ですか?」

「……百合」


ようやく顔を上げた桔梗だったが、
その顔は死人のように真っ青でーー。


「少し部屋で休みますか?」


背中を撫でながら聞くと、
彼女は弱々しく頷いた。


「皆さん、少し席を外してもいいですか?
桔梗を休ませてあげたいので」

「ああ、いいぞ。
こっちはこっちで話を進めておくから、
娘さんもゆっくりしていてくれ」

「はい、ありがとうございます」


気遣いに感謝しながら、
桔梗とともに二回の部屋へと上がった。