ーー絶対に、助からない。 目の前の光景に、 そんな気持ちが沸き起こった……。 雨に混じって、あたしの頬を伝うもの。 (……涙……?) ーーあたしが、殺してしまった。 ーーあたしが、手を離してしまった。 「……瑠璃!!」 今度は隼人が、あたしの名前を呼ぶ。 憎しみ、怒り、悲しみーー。 咲夢梨を呼んでいた時とは対照的な、 負の感情がこもった声色だった。