それでも顔色一つ変えないこいつはどうなってんだよ。
「じゃあ聞くけど、君の出来ることはなに?
僕は新庄家の主として、小鳥遊家の面倒を見ることが出来る。
君は?
頑張ったってバスケくらいだろ?」
その言葉が俺にとってはどんな刃物よりも鋭く心を貫いた。
何も言い返せなくて、掴んでいた手を離した。
今までずっと目を背けていたこと。
美音葉と俺の間には距離があって、どんなに頑張ってもその距離を埋めることが出来ないんじゃないかって…
「ほらね?図星じゃないか。こんなくだらない会話に付き合ってる暇はないから。」
そう言い捨てて、新庄は帰えろうとした。

