男「なぁ、きいてる?」

雪「…」

男「おーい」

雪「…」

男「おーいって!」

雪「…チッ。うっさいわね聞こえてるわよ」

男「俺と付き合えよ」

雪「はっ、意味分かんない。何であんたと付き合わなきゃいけないのよ」

男「いいじゃん別に。仲良くしようぜー」

雪の可愛らしい顔に男の顔がぐっと近づく。

雪「…気持ち悪いったらありゃしないわ」

男の顔に雪の掌がかざされる。

と、次の瞬間、男の体はぶっ飛ばされていた。

男「いってー…何すんじゃテメェッ!?」

雪「雪の精霊よ私に力を」

瞬く間に掌が青く輝いていく。

男「聞いてんのかクソアマァ!!」

雪「お黙り」

雪の手からまた青い閃光が放たれた。

男「ぎゃあっ!せ、精霊術氏か!くそっ、覚えてろよ!!」

男はしっぽを巻いて走り去ってしまった。

雪「まったく…もっとマシな奴はいないのかしら」

私はこの魔法学校に通う中学2年生の春風雪。

見ての通り、魔法が使えるわ。

さっきの魔法は私の得意とする雪の魔法「スノーマリア」。

どう?かっこいい名前でしょう?

私が魔法少女として覚醒したのは5歳の頃。

姉妹喧嘩が原因で発覚したわ。もちろん姉さんも。

姉さんが得意とする魔法は「癒し」の魔法。

何度も私の傷を癒やしてくれた。

ま、私は基本全部の魔法も使えるんだけどね。

雪「おっと、危ない危ない」

雪のスカートが少し切れた。風の刃が飛んできたのだ。

マロン「こら雪っ!学園内での魔法は禁止!前もそう言ったでしょ!?」

この子はマロン。私の心友。主に風の魔法を扱っているわ。

さっき放たれた刃はマロンがやったんだろう。

雪「だってうざかったんだもん」

むーと口を尖らせる雪。

マロン「だからって使ってはいけません」

雪「そうゆうマロンだって魔法使ってたじゃん」

マロン「私は風紀委員だから許されてるの!」

雪の文句をさらりと受け流すマロン。

流石心友、馴れたものだ。

雪「はーいすごく反省してまーす」

マロン「反省の色がまったく見えないんだけど…」

ミルク「ちゃーんと反省しなよ、雪」

雪「あーごめんなさい、ミルク。起こしちゃった?」

ミルク「おはよう雪、マロン。壁ドンされてたとこから聞いてたよ」

雪「だいぶ最初のほうじゃない」

この猫は私と契約した妖精のミルク。親のような存在だわ。

ミルク「そういや授業は大丈夫なの?チャイム鳴ってたけど…」

マロン「えっ!?や、やばい!雪急いで!!」

雪「はいはい…」

既に本令が鳴っていたため、案の定2人と一匹は怒られた。