「だから、俺は・・・て、なんでわかんないの?!」
「逆ギレなんかせんといて。わからんもんはわからんの」
「この鈍感女!!」

思わず笑ってしまう。
圭一の必死な姿に。
私と同じ感情が圭一の心にもあることに。

圭一にも私と同じ意地があって、言葉にしたくない気持ちが強いはず。ただ私と違うところは、相手の気持ちが読めないところ。

自分と私が同じ気持ちでいることに気付いていない。
そんなところが好きなわけで、可愛らしくも思えるんだけど。
だからといって、絶対私から言ったりしないけど。

卒業までもう少し時間はある。
明日、圭一の就職が決まったら、お祝いに食事に行って、通じ合うのもありかなって思う。
ひとまず、これからのことが決まって一段落したら、次は私たち自身の番。

それまでは鈍感な女でいさせてね。
そのときには私も素直になって、伝えるから。
まずは圭一からの言葉が欲しいの。

一緒にいた理由

一緒にいる理由




一緒にいたい理由





それはあんたといるから。



そんなことに気付くのも遅かったね。




END