“愛してる”なんて言えるほどキザな男にはなれないけど、こんな時は素直に出てくるもんだな、と思った。
普段めったに甘えない真がこうして甘えてくれるから俺からも出たのかもしれない。

言葉なんて何回言っても言い足りないし、言い切れない。それでも言葉にしなきゃいけない日もあるのかな、って今日感じた。

「今日の圭一、優しい」
「俺、いつも優しくない?」
「優しくない」
「そう?真はいつもより可愛い」
「可愛いとか言うな」
「照れてる?」
「うるさい!」
「可愛いな、真」

もう!と言いながらも抱きしめてくれる真が誰よりも可愛くて愛してる。
あんなに遊んでた俺がここまで一人の女に惚れ込むなんて、あの頃の俺から見たら信じられないことなんだろうけど、それが今の俺だ。

「また買い物行こうね」
「・・・」
「俺の服、全然足んないんだけど」
「ふふっ」

大事な言葉はまたの機会にとっておこう。きっと伝えたくてもどかしくなる日がくると思う。

本当に真を一生守り続けていくんだって心から強く思える日が来たら、その時は伝えよう。その時までこの想いは温めておこう。

腕の中にいる真の温もりを感じながら、真の喜ぶ顔と幸せな未来を想像しながら眠りについた。




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