…零士に会うのは怖い。何を言われるか分からないから。でも、このメールは誤解だと言いたい。

「…メールくらいなら」

『御崎社長、昨晩のメールは間違いです』

…と、打ってみたものの、やっぱり躊躇する。

「…やっぱり止め、ワッ?!」

ゴロンと、ベッドから落ちてしまった。

携帯が?!…ぁ。

消そうと思ったのに、送信してしまった。

後悔してももう遅い。

零士は今仕事中だろう。私は気づかないでいて欲しいと願いながら携帯を置いた。

それから、私はメールを送ってしまった事を忘れようと、ベッドに潜り込んだ。

…そんなことをしているうちに、また、いつの間にか眠っていた。

…胸が苦しくて、再び目を覚ました。…発作。

私は苦しさから逃れようと、頓服薬を飲んだ。

…只今の時刻、午後5時。

一馬はまだ、病院だろう。…1人で心細くなる。頓服薬もなかなか効いてこない。

「…お兄ちゃ…」

ピンポーン…インターホンが鳴った。

一馬が帰ってきたのかもしれない。

私はゆっくり玄関まで行くと、ドアを開けた。

「…お兄ちゃ、ん…」
「…満里奈」

「…どう、して」
「満里奈!!」

胸苦しさに私はその場に倒れこむ。

…それを支えてくれたのは…零士だった。