…結婚式から3年後。

「…零士さーん!」

今日は休日。二人でショッピングをしていた。

満里奈は嬉しそうに満面の笑みを浮かべ、階段をかけ下りてくる。俺は、慌てて声をかけた。

「…バカ!走るな!階段を踏み外したら「…ひゃっ!!」

俺の悪い予感は的中し、満里奈は階段を踏み外し、落ちてくる。

俺は階段をかけ上がり、満里奈をひしと抱き止めた。

そして、大きなため息をつく。

「…ご、ごめんなさい」

満里奈は苦笑いを浮かべ、俺に謝る。

「…全く!一人の体じゃないんだから、気を付けろって言ってるだろ?」

そう言って、満里奈のおでこを小突いた。

「…久しぶりのデートだから嬉しくてつい…本当ごめんなさい…お腹の子もビックリしますよね」

…そう、満里奈のお腹には、6ヶ月になった俺たちの宝物がいる。

俺はまた軽くため息をつき、満里奈の頭を優しく撫でた。

「…これからは気を付けろよ?」
「…はい」

俺の言葉に素直にそう言った満里奈は、俺の腕に自分の腕を絡めた。

そしてまた、満面の笑みを浮かべた。

「…零士さんとこうやってるだけで、本当に幸せです」

その言葉に、俺も笑顔になる。

「…俺も幸せだよ」

…長い長い道のりの先にやっとつかんだ幸せ。

「…満里奈」
「…はい?」

たくさんのひとが居るにも関わらず、俺は満里奈をぎゅっと抱き締めた。

満里奈は当然驚きと恥ずかしさで真っ赤な顔になる。

「…あの?」
「…今までも、これからも、この先も、ずっとずっと俺はお前を溺愛する」


沢山の人に宣言できる。


満里奈を生涯愛していくと。