…時間も時間だ。
ドアを叩くことなど出来ない。まして、満里奈の体調が思わしくないので、事をあらげたくない。
とりあえず、満里奈の居場所はわかったから。
携帯番号も知ることが出来た。
今しばらくは、満里奈を静かに寝かせてやりたい。
俺は踵を返し、車に戻ると、自宅へと帰った。
…次の日、仕事に向かった俺は、昼まではなにも考えず、仕事に没頭した。
正午。
仕事に一段落ついた俺は、携帯を取り出すと、満里奈の携帯を鳴らした。
『…もしもし?』
「…」
…久しぶりに聞く満里奈の声に、胸が一杯になり、言葉につまる。
『…誰ですか?』
満里奈の携帯は代わっているので、俺の番号は登録されていないようだ。
「…御崎零士と言えば、わかるか?」
『…』
今度は、満里奈が黙りこんでしまった。
「…満里奈、日本に帰ってきてるんだな…仕事も、復帰したんだろ?…体調は良くなったのか?」
…グズっと、鼻をすする音が受話器ごしに聞こえてきた。
「…満里奈?」
『…零士、さん』
涙声で、俺の名を呼ぶ満里奈に、更に胸が一杯になったが、俺は冷静に、優しい声色で、満里奈に問いかける。
「…満里奈、お前に会いたい」
『…私も…会いたい、です。…遠くから見る後ろ姿じゃなくて、その顔を』
…会社で、満里奈は、俺の後ろ姿は見たのか?
「…今日も仕事休んでるのか?」
『…はい』
「…わかった、今から行く」
『御崎社長?』
俺は、携帯を切ると、社長室を飛び出した。
「…社長、何処へ?!」
「…直ぐ戻る」
ただ一言、中島にそう告げて。
ドアを叩くことなど出来ない。まして、満里奈の体調が思わしくないので、事をあらげたくない。
とりあえず、満里奈の居場所はわかったから。
携帯番号も知ることが出来た。
今しばらくは、満里奈を静かに寝かせてやりたい。
俺は踵を返し、車に戻ると、自宅へと帰った。
…次の日、仕事に向かった俺は、昼まではなにも考えず、仕事に没頭した。
正午。
仕事に一段落ついた俺は、携帯を取り出すと、満里奈の携帯を鳴らした。
『…もしもし?』
「…」
…久しぶりに聞く満里奈の声に、胸が一杯になり、言葉につまる。
『…誰ですか?』
満里奈の携帯は代わっているので、俺の番号は登録されていないようだ。
「…御崎零士と言えば、わかるか?」
『…』
今度は、満里奈が黙りこんでしまった。
「…満里奈、日本に帰ってきてるんだな…仕事も、復帰したんだろ?…体調は良くなったのか?」
…グズっと、鼻をすする音が受話器ごしに聞こえてきた。
「…満里奈?」
『…零士、さん』
涙声で、俺の名を呼ぶ満里奈に、更に胸が一杯になったが、俺は冷静に、優しい声色で、満里奈に問いかける。
「…満里奈、お前に会いたい」
『…私も…会いたい、です。…遠くから見る後ろ姿じゃなくて、その顔を』
…会社で、満里奈は、俺の後ろ姿は見たのか?
「…今日も仕事休んでるのか?」
『…はい』
「…わかった、今から行く」
『御崎社長?』
俺は、携帯を切ると、社長室を飛び出した。
「…社長、何処へ?!」
「…直ぐ戻る」
ただ一言、中島にそう告げて。

