〜♪



あ、メールだ。誰からだろ?



放課後、教室から出ようとした時メールが来た。



【りょう】




りょうくんからだ。なんだろ?



『悪い。今日一緒に帰れなくなった。

ちょっと呼び出された。

帰るのは、また今度でいいか?』



そんな…今日聞けると思ったのに。
でも、呼び出されたなら仕方ないよね。
なんか、悪いことしたのかな?
りょうくんが呼び出しってめずらしいな。


また今度聞くか。








一人で帰っているとき。
目の前に見たことある後ろ姿がひとつ歩いていた。


((あれ、りょうくんだよね?
今日は呼び出されたんじゃないの?))


メールには呼び出されたって書いてあった。呼び出しって先生からじゃないの…?




電柱が影になっていてよく見えなかったが、りょうくんの隣には肩ぐらいまでのまでの巻いた茶色い髪にスラッとした体型の可愛い女の子が一緒にいた。

いかにもりょうくんが好きって感じの子だった。




((呼び出しってもしかして、女の子から…))





前を歩くふたりをみていると、時々笑いあっているのが見えた。




((そっか。私の誘いを断ったのって…
そっか、そうなんだ。))




また、涙が止まらなくなった。

りょうくんはきっとあの子のことが好きなんだ。だから私の誘いを断って…




心に深く傷が入った。




もう、ふたりを見ていられなかった。
前を向くたび、心が痛めつけられるから。




私は走った。

そして、前のふたりを追い抜かした。



『りおん…?』



私はその声を無視して近くの公園まで走った。