出会うはずのなかった君へ。

おぼつかない足取りで、ふらふらと教室に戻ると、誰かが私の肩を叩いた。



「舞羽〜?どうした??」



小学校から仲良しの、神川 希望 (かみかわ のぞみ)だった。いつも明るくて、優しい女の子だ。私が困っているときは、いつだって手を差し伸べてくれる。



「希望〜…。もう、どうしよー…!助けてぇー!」

彼女は、お姉さんみたいにくすっと笑って、私を席に座るよう促した。



「はいはい。何でも聞くから、話してごらん?」



そう微笑まれると、いつだって私は、吐かずにはいられなくなるのだ。