出会うはずのなかった君へ。

おそるおそる中に入ると、しんとした空間に一人、校長が座っていた。



私の顔を見ると、ふっと頬を緩ませて微笑んだ。



「やぁ。君が、如月さんかい?ほう、確かに良い子そうな子だ。」



私の祖父くらいの歳の校長は、ソファーに座るよう促した。その隣に、担任も腰を下ろす。



校長は、湯呑みの中のお茶を一飲みしてから、私と目線を合わせ、こう切り出した。



「如月さんは……、春川君と話したことはあるのかい?」



はっとした。



え?これって……、春川君の話?
あ、ひょっとして、事情聴取?