「なにがだ?」

「女子が逢川んち見舞いに行ったら門前払いだったらしい。逢川の母親がインターホンで『咲良は大丈夫だから』っつって、顔も出さなかったって」

「「「……」」」


ダチが見舞いに行ったのに顔も出さないだと?


「…よくわかんねぇけど、それ、多分普通じゃねぇよな?」

「なんか怪しくね?」

「そんなに重症なんか?」

「まぁその線もあるけど、病気なら母親、顔くれー出してもよくね?」

「だよな。それに休んでる理由を言ってもいいよな」


皆、思うことは同じだった。

そして俺の頭の中をよぎったのはあの親父──。


逢川の親父が何かしやがったんじゃ…。

そんな不安が俺を取り巻く。


「あ゛ーっっ!!くっそ!俺、咲良んち行ってくるわ!家教えろ森谷!」


金沢が勢いよく立ち上がり森野に迫る。

それを赤城が冷静に止めに入った。


「あほ金、やめろ。てめーが行ったらそれこそ門前払いだ」

「なんでだよ良二!」

「てめーのナリ考えろばーか。最悪通報されるぞ」

「あ?!なんだよ!ただ髪が金なだけじゃねーか!」


吠える金沢。


「どう見ても黄色だろうが!」


すかさずつっこむ緑川。


「や、そこじゃねーだろ」


またもや冷静な赤城。


「とりあえず落ち着けよ」


そして森野がため息混じりに金沢に目を向けた。