なんなら今、学校に戻ろうかな?確かジャージが置きっぱなしなはず。

それでなんとか…。帰ったら自分で直せるところは直して、明日までに誤魔化せるくらいにしなくちゃ。


え、わたし、直せる?


「お、やっと来たか」


緑川くんの声に反応し顔を上げると、深瀬くんがこちらに近づいてくるのが見えた。


「おめー逢川送ってくんだろ?」

「あ゛?送らねぇよ」


─そんな!!


「送ってくれないの?!」

「だから俺が送ってやるって」

「金沢くん…」

「深瀬~、送ってやれよー。血も涙もねーな」

「せっかく待ってたっつーのにな。とんだ無駄足だったな」

「っだー!!うるっせぇな!お前ら少しくらい黙ってろや!」

「だって!」

「庄司に送らせるんだよ!」

「…え?」「「「…は?」」」


し、庄司?って、深瀬くんが唯一連絡を取ってるって言ってた人じゃなかったっけ?

その人がわたしを送ってくれるの?なんで?


「さっき連絡したとこだからもうすぐ来る」


…あ、もしかしてそれで遅かったの?


深瀬くんったら、やっぱり優しい。わたしのことを考えてくれてたってことだよね?

この優しさはときめきポイントめちゃくちゃ高いですわ。胸がキュンとする。