「─あ?」


金沢?そういえば…。


「どこ行きやがったあいつ」

「勝手にいなくなるなんてな」

「マジでガキだよな」

「ほんとどうしようもねぇな」

「あいつがいきなりいなくなると、大概絡まれてんだよな」

「ピンチな時が多いよな」

「危険探知は犬並みだからな」

「「「……」」」


なぜか一斉に無言になる。
  

「…仕方ねぇ、行くか」


ため息混じりに緑川が言うと、一つ間を置いて二人は走り出して行った。


「…」


そういや金沢の奴、執拗に逢川のことを気にしてたな。

それでいなくなったってことは、逢川の後でも追ってったのか?


逢川の…。


……。


……。


「─ちっ」


心の中はイラつきと面倒くささでいっぱいだったのに、体が勝手に金沢と逢川を探しに駆け出していた。